年金とは
年金とは

《年金のしくみ・公的年金とは》 

 一般に言われる「年金」というものには、大きく分けて国民年金・厚生年金・共済年金という3種類があります。

では、それらの年金を解説していきましょう!

 

 <国民年金制度>
 年金制度が発足した当時(厚生年金の先駆者である労働者年金保険法は昭和17年6月)は、5人未満の零細企業従事者や都市農村の自営業者などは長く「年金」という保障の枠の外に置かれていました。 
 昭和30年代に入り、医療面では「国民皆保険」が進められているのに対応し「国民皆年金」を強く要請されるようになりました。
 厚生労働省は、社会保障制度審議会や国民年金委員等の考え方を基に厚生労働省第一次案を発表しました。
 
 昭和34年11月、掛け金を必要としない<無拠出制>の福祉年金がスタートし、昭和36年4月からは掛け金を必要とする<拠出制>国民年金が実施され、「国民皆年金」がスタートすることになりました。

 この国民年金制度は、日本国憲法第25条(最低生活の保障)第2項『国は社会保障等の向上及び増進に努めなければならない』と規定されている理念に基づき、老齢・障害・死亡によって国民生活の安定が損なわれることを国民の共同連帯によって防止し、健全な国民生活の維持・向上に寄与することを目的としているものです。
 この目的を達成するために老齢・障害・死亡に関して必要な給付を行うこととしており、国民年金はわが国の公的年金制度の土台として自営業者だけではなく、被用者年金制度の被保険者、組合加入者、及びその配偶者にも基礎年金を支給しています。

 
<厚生年金保険法>

 労働者を対象とした年金制度である「厚生年金保険法」に先駆けて、昭和17年6月に「労働者年金保険法」という名の元に、男子ブルーカラー労働者を対象に設立されました。
 その後、昭和19年10月には男子ブルーカラー労働者に加え、男子ホワイトカラー労働者・女子労働者をも対象とした「厚生年金保険法」が設立されました。
 
 昭和60年5月には、健全で安定した年金制度の運営を図るために制度の抜本的改革が行われ、原則として国民年金から支給される基礎年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給するという制度に改められました。
 更には、平成6年に老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢を受給権者の生年月日に応じて段階的に65歳に引き上げるという、60歳台前半の老齢厚生年金の見直しが行われました。

 また平成12年には、急速に進む少子高齢化に伴い給付水準の適正化をはじめ、定額部分の支給開始年齢の引き上げが完了した後の平成25年4月から平成37年3月(女子は5年遅れ)にかけて、報酬比例部分の支給開始年齢を受給権者の生年月日に応じて段階的に65歳へ引き上げるといった改正が行われました。


 <共済年金>
 国家公務員や地方公務員、私立学校教職員等が加入する制度で、基礎年金・共済年金(職域加算額含む)を受給することとなります。

*船員年金はS61年4月1日に、JR、JT、NTTの各共済年金(旧公企体共済年金)は平成9年4月1日に、農林漁業団体職員共済年金(農林年金)は平成14年4月1日に、それぞれ厚生年金に統合されています。

 昭和61年の制度改正によって、国民年金制度は、従来の自営業者ばかりではなく、被用者(サラリーマン)やその配偶者にも適用を拡大し、共通の基礎年金を支給する制度に変わりました。すなわち、国共済の組合員やその被扶養配偶者にも新しい国民年金制度が適用され、国家公務員及びその配偶者を含めて国民一人一人にそれぞれ自分名義の基礎年金が支給されることになったのです。
  この結果、共済年金は、原則国民年金上乗せ分として支給されることになりました。なお、この共済年金には、報酬比例部分(厚生年金相当額)と職域加算とがあります。

 平成27年10月には、被用者年金が一元化されました。
一元化されたことにより、厚生年金被保険者の種類が @第一号厚生年金被保険者 A第二号厚生年金被保険者 B第三号厚生年金被保険者 C第四号厚生年金被保険者の4種類なりました。
 また、これまで「退職老齢年金」「障害共済年金」「遺族共済年金」等と言われた給付(年金)は、各々『老齢厚生年金』『障害厚生年金』『遺族厚生年金』等と呼ばれるようになりました。
 しかし、年金の支給元はこれまで通り、各共済組合となっています。


 

●第1号被保険者とは
 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、第2号被保険者・第3号被保険者に該当しない者をいいます。
 (*)ただし、被用者年金各法(厚生年金保険法・共済組合法等)に基づく老齢または退職を支給事由とする年金たる給付その他の老齢または退職を支給事由とする給付であって、政令で定めるものを受けることができる者、並びに国民年金法による年金給付に相当する給付を行うことを目的とする外国の法令の適用者等は被保険者とはされません。

 (例)国会議員及びその配偶者、障害年金等受給権者及びその配偶者・学生等は第2号被保険者や第3号被保険者に該当しない限りは、第1号被保険者となります。

 ●第2号被保険者とは
 被用者年金各法の被保険者、組合員、加入者(*)は、第2号被保険者となります。

 (*)ただし、65歳以上の者にあっては国民年金法・厚生年金保険法等による老齢基礎年金たる給付の受給権を有していない被保険者、組合員及び加入者等をいい、20歳未満の者も対象となります。

 なお、第2号被保険者は国内居住要件は問われません。

●第3号被保険者とは
 第2号被保険者の配偶者(男女問わず)であって、主として第2号被保険者の収入により生計を維持する者のうち20歳以上60歳未満の者のことをいいます。
 なお、被扶養配偶者の認定は社会保険庁長官の定めるところ(*)により、管轄する地方社会保険事務局長または社会保険事務所長が行います。
 この第3号被保険者は、個別の保険料負担を行う必要はありませんが、これに代わって第3号被保険者であることを届け出ている必要があります。
 
(*)健康保険法の被扶養者の認定の取扱いに準ずるものとされています。


老齢年金
 老齢年金は、被保険者が現役を引退して所得がなくなった時に生活の安定が損なわれることを防止するために支給されます。
 このように、老齢または退職を支給事由とする年金を「老齢年金」といいます。

 
《国民年金法の老齢基礎年金》
 国民年金法の老齢基礎年金を受給するためには、下記の要件を満たすことが必要です。 

@   受給資格期間(原則25年➡令和元年10月以降は原則10年)を満たした者
 保険料を納めた期間(保険料納付期間)と各種免除(承認)された期間保険料免除期間であって学生納付特例及び30歳未満の若年者納付猶予の期間を除く)の合計が、原則25年(*1)(*2)以上ある者
 (*1)支給要件の特例として、生年月日によって加入可能年数により25年に満たないものでも支給要件に該当するものとしてみなしたり、合算対象期間を合わして25年以上あればよいとされています。
 (*2)令和元年10月以降は、原則10年と改正されました。

 A   65歳に達した者(*)
 (*)国民年金法では、60歳で保険料納付義務が終了し5年経過後65歳から支給されることになるため、希望するものには「繰上げ」「繰り下げ」等の制度が設けられています。

《厚生年金保険法の老齢厚生年金》
 厚生年金は「当分の間」従来どおり60歳から支給することとされており60歳から65歳までの間の給付対象となるのは、男性S16年4月2日〜S36年4月1日まで、女性S21年4月2日〜S41年4月1日生まれの人で、「特別支給の老齢厚生年金」として支給されます。
 ただし、この「特別支給の老齢厚生年金」は下記のような支給要件を満たす必要があります。

☑ 1年以上の被用者年金各法の被保険者期間を有していること

☑ 老齢基礎年金の受給資格期間を(原則25年)有していること

《共済組合の退職老齢年金》
 共済組合の退職を支給事由とする年金は、厚生年金保険法の老齢厚生年金とほぼ同じ内容となっています。
 違う点といえば、
@共済年金には「職域加算額」という“プラスα”があること。
A女性に関しては男性と同じスケジュールで、定額部分・報酬比例部分の引き上げが行われるということです。

 

障害年金
  人は、“いつも元気で楽しく暮らせる”という保障はどこにもありません。いつ事故に遭遇するか、いつ病に倒れ不自由な生活を強いられるか分かりません。
 不幸にも事故に遭い、病に倒れ、障害を負うことになったときに、強い味方になってくれるのが「障害年金」です。 

 「障害年金」にも、国民年金法・厚生年金保険法・共済組合法から支給されるものです。

 この「障害年金」を受給できるか、できないか・・・その前に、障害年金自体を請求できるか、できないか。
それには制度ごとに下記のような支給要件が設けられています。 

 これ以降は、共済組合法による共済年金については、ほぼ厚生年金保険法と変わらないため省略させていただきます。なお、相違がある箇所については記載していきますので、ご了承願います。


 《国民年金法の障害基礎年金》
㋑ 初診日(初めてその傷病について医師・歯科医師の診療を受けた日)において、国民年金法の被保険者であること

㋺ 国民年金法の被保険者であった者で、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること 

㋩ 障害認定日{初診日から起算して”原則”1年6ヶ月経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においてはその治った日)}(*)において、障害等級1級または2級に該当していること

㋥ 初診日の前日において、保険料納付要件を満たしていること

(*)知的障害・脳血管障害・人工透析・弁置換手術・人工関節等は、別の定めによります。詳しくはお問い合わせください。

  ただし、初診日がS61年3月以前にある第2号被保険者の被扶養配偶者、または、H3年3月以前にある学生等の場合は、この限りではありません。詳しくはお問い合わせください。

  

《厚生年金保険法の障害厚生年金》
㋑ 初診日(初めてその傷病において医師・歯科医師の診療を受けた日)において、厚生年金保険法の被保険者であること

(注)初診日において65歳以上であっても、厚生年金保険法の被保険者であって納付要件を満たしていれば障害厚生年金は受給可能となります。

㋺ 障害認定日{初診日から起算して”原則”1年6ヶ月経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においてはその治った日)}(*)において、障害等級の1級・2級・3級に該当していること

*障害等級1級および2級に該当する障害については、国民年金法の障害基礎年金が併給される。 

㋩ 初診日の前日において、保険料納付要件を満たしていること

(注)ただし、旧法(S61年3月以前に初診日がある場合)は、この限りではありません。

(*)知的障害・脳血管障害・人工透析・弁置換手術・人工関節・事故等による肢体の切・離断等は、別の定めによります。詳しくはお問い合わせください
 

《共済組合の障害共済年金》
㋑ 初診日(初めてその傷病において医師・歯科医師の診療を受けた日)において、共済組合の加入員であること

㋺ 障害認定日{初診日から起算して”原則”1年6ヶ月経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においてはその治った日)}(*)において、障害等級の1級・2級・3級に該当していること

(*)知的障害・脳血管障害・人工透析・弁置換手術・人工関節・事故等による肢体の切・離断等は、別の定めによります。詳しくはお問い合わせください。

*障害等級1級および2級に該当する障害については、国民年金法の障害基礎年金が併給される。

*初診日に組合員でさえあればよく、障害認定日に組合員であることは必要とされていません。

*障害共済年金においては、障害厚生年金や障害基礎年金のような「保険料の納付要件」はありません。


遺族年金
 遺族年金というものは、生計の中心となっていた“働き手”が突然死亡した場合、あるいは、長い間働いてきてリタイヤし楽しみにしていた第二の人生、老齢年金を貰わずして死亡した場合などに、残された遺族に対してその生活の安定を図るために一定の所得を保障することを目的として支給される年金給付です。

「遺族年金」も、国民年金法・厚生年金保険法・共済組合から支給されます。

 ただし、各々制度により下記のように支給要件及び支給される給付の種類等が異なります。

 
《国民年金法の遺族基礎年金》
㋑ 被保険者(第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者)が死亡したとき

㋺被保険者であった者で日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満である者が死亡したとき

㋩老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき(この場合は日本に居住していなくても支給される)

㋥老齢基礎年金の受給資格期間を満たしているものが死亡したとき

 

《厚生年金保険法の遺族厚生年金》

㋑厚生年金保険法の被保険者が死亡したとき

㋺厚生年金保険法の被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった時に初診日のある傷病によって、この初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき

㋩障害等級の1級・2級に該当する障害状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したとき(*3級の受給権者は含まない)

㋥老齢厚生年金の受給権者または老齢厚生年金の受給資格期間を満たしている者が死亡したとき

*㋑ ㋺については、死亡日の前日において保険料納付要件を満たす必要があります。

 

《国民年金法独自の死亡保障》

●  寡婦年金

「支給要件」

・  死亡した夫が国民年金法の第1号被保険者としての、保険料納付期間及び保険料免除期間とを合算した期間が25年以上(平成29年8月以降は10年以上)有していること

・  夫の死亡当時、夫によって生計を維持していたこと

・  夫との婚姻期間(事実婚を含む)が、継続して10年以上あること

・  残された妻が、65歳未満であること

 ただし、死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあるとき、または、老齢基礎年金の支給を受けていたときは除きます。

 *  寡婦年金の場合は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの納付月数をみます。

 *遺族基礎年金とは併給できませんが、両方を受給できる場合があります。

 

「支給開始・支給期間」

・  夫が死亡した当時、妻が60歳未満のときは妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給されます。

・  夫が死亡した当時、妻がすでに60歳以上の場合は夫の死亡した日の属する月の翌月から支給されます。

・  支給期間は、妻が60歳から65歳到達するまでの期間です。

 

「支給額」

 死亡した夫が、生存していたならば貰えるであっただろう老齢基礎年金額の計算の例によって算出された額の4分の3相当額となります。

 ただし、死亡した夫が付加保険料を納付していた場合であっても加算はされません。

 


死亡一時金

 「支給要件」

・  死亡したもの(夫・妻を問わず)が、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付期間及び保険料半額免除期間の月数の2分の1相当月数とを合算した期間が36月以上ある場合

 ただし、死亡した夫が老齢基礎年金または障害基礎年金(福祉年金は除きます)の支給を受けたことがない場合となります。

 また、遺族基礎年金を受けることができる者がいるときは、遺族基礎年金が支給されます。
 ただし、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときは除きます。

 *  死亡した者の子が遺族基礎年金の受給権を取得した場合、生計を同じくしているその子の父または母がいることによって、この遺族基礎年金が支給停止されているときは死亡した者の配偶者に死亡一時金が支給されます。

 * 子供は、生計を同じくしている母がいるために「遺族基礎年金」の支給を停止される。


代表 峠田 江里

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